一つの株式会社から「新設分割」により、別の株式会社を設立することは可能です。
これは会社法上の「新設分割」に該当します。
以下に説明いたします。

■ 新設分割とは
会社法第762条以下に規定される組織再編行為で、
既存会社(分割会社)の事業の全部または一部を承継させるために、
新たに会社を設立する方法
です。
既存会社は存続し、新会社が設立されます。
■ 手続の流れ(株式会社の場合)
以下、実務的な流れを整理します。
① 分割計画の作成
取締役会設置会社であれば取締役会決議で「新設分割計画」を作成。
記載事項(会社法762条):
- 新設会社の商号・目的・本店
- 発行可能株式総数
- 役員
- 承継する資産・負債の内容
- 分割対価(通常は新設会社株式)
- 分割効力発生日 など
② 株主総会決議
原則として
特別決議(議決権の2/3以上)
ただし、以下の場合は「簡易分割」「略式分割」が使える可能性あり。
- 承継資産が総資産の1/5以下(簡易分割)
- 完全支配関係がある場合(略式)
③ 債権者保護手続
官報公告+個別催告(必要な場合)
期間:1か月以上
④ 新設会社の設立登記
効力発生日に
- 分割会社変更登記
- 新設会社設立登記
を同時に行う。
■ 登記実務上のポイント
必要書類例:
- 分割計画書
- 株主総会議事録
- 債権者保護手続証明書
- 就任承諾書
- 承継資産に不動産がある場合は登録免許税関連書類
■ 税務上の整理
税務上は
- 適格分割
- 非適格分割
に分類されます。
適格要件を満たせば簿価承継となり課税繰延が可能。
税務判断は非常に重要です。
■ 新設分割と他制度との違い
| 制度 | 会社は残る? | 新会社設立? |
|---|---|---|
| 新設分割 | 残る | する |
| 吸収分割 | 残る | しない |
| 会社分割と現物出資 | 残る | する(方法が異なる) |
■ 実務上の活用例
- 事業部門の切り出し
- 事業承継対策
- リスク分離
- M&A前の再編
■ 注意点
- 労働契約承継法の適用
- 契約上の承継可否確認
- 金融機関の同意
- 許認可の承継可否
特に先生のように許認可業務を扱われる場合、
行政許認可が自動承継されるかどうかは極めて重要です。
■ まとめ
✅ 一つの株式会社から新設分割で別会社設立は可能
✅ 株主総会特別決議が原則
✅ 債権者保護手続が必要
✅ 税務判定が重要
✅ 許認可の扱いを必ず確認
会社の新設分割のサポートさせていただきます。
どうぞお気軽にご相談ください。

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