建設業許可では、「1人だけで要件を満たせるのか?」という質問をよく受けますが、結論としては、
一定の条件を満たせば、1人で「経営業務の管理責任者(常勤役員等)」と「営業所技術者(旧・専任技術者)」を兼ねることは可能です。
ただし、その1人が「両方の要件」をそれぞれ満たしている必要があります。

建設業許可で必要になる主な人的要件
建設業許可では、主に次の人的要件があります。
- 経営業務の管理を適正に行う能力(旧・経営業務管理責任者、いわゆる「経管」)
- 営業所技術者(旧・専任技術者)
- 誠実性
- 欠格要件に該当しないこと
このうち問題になるのが、
- 「経管」
- 「営業所技術者」
です。
1人で兼任できるケース
例えば、次のような人です。
- 個人事業主として建設業を5年以上経営している
- さらに10年以上の実務経験がある
- または国家資格(二級建築施工管理技士など)を持っている
この場合、
- 経管要件
- 営業所技術者要件
を同時に満たせる可能性があります。
そのため、
「社長1人だけ」で建設業許可を取得する
というケースも実際には多くあります。
経管(常勤役員等)の要件とは
典型例は、
建設業で5年以上の経営経験
です。
例えば、
- 法人役員
- 個人事業主
として建設業を営んでいた期間などが該当します。
営業所技術者(旧・専任技術者)の要件とは
許可を取る業種について、
- 国家資格
または - 実務経験
が必要です。
例えば内装仕上工事業なら、
- 二級建築施工管理技士
- 10年以上の実務経験
などが典型です。
1人で満たせないケース
次のような場合は、別人を立てる必要があります。
① 経営経験はあるが技術要件がない
例:
- 社長歴10年
- しかし実務経験や資格がない
→ 経管はOKでも営業所技術者NG
② 技術経験はあるが経営経験がない
例:
- 職人歴15年
- ただし役員経験なし
→ 営業所技術者OKでも経管NG
③ 他社常勤になっている
営業所技術者や経管は原則「常勤」が必要です。
そのため、
- 他社の常勤役員
- 他社の専任技術者
- 他社の正社員
などとの兼任は通常できません。
個人事業主で多いパターン
実務上かなり多いのは、
「職人兼社長」
のケースです。
例えば、
- 電気工事を15年
- 個人事業主として7年営業
この場合、
- 経管 → 個人事業主経験
- 営業所技術者 → 実務経験
で、1人だけで許可取得できる可能性があります。
注意点
「証明」が重要
実際の許可では、
- 確定申告書
- 工事請負契約書
- 注文書
- 請求書
- 登記事項証明書
などで経験証明をします。
単に「経験があります」だけでは認められません。
行政書士実務上の確認ポイント
依頼を受けた際はまず、
① 誰を経管にするか
② 誰を営業所技術者にするか
③ 同一人物で可能か
を整理します。
特に、
- 許可業種
- 実務経験年数
- 法人役員歴
- 確定申告状況
- 社会保険加入状況
の確認が重要になります。
現在の名称について
令和6年改正で、
- 「専任技術者」
↓ - 「営業所技術者」
へ名称変更されています。
ただ、実務ではまだ「専技」という呼び方もよく使われています。
どうぞお気軽にご相談ください。
↓
「行政書士辻澤孝文事務所」ホームページ

コメント