民法の「法定追認」とは、取り消すことができる行為について、取り消し権者が一定の行為をした場合に、法律上当然に「追認したもの」とみなされ、以後は取り消せなくなる制度です。
条文は、民法125条です。

1. 法定追認とは
本来、未成年者や詐欺・強迫によってした契約などは、後から取り消すことができます。
しかし、
- 「契約を有効だと認めたような行動」
をすると、
法律上、自動的に
「もう追認した」
と扱われます。
これを「法定追認」といいます。
つまり、
“取消権を失う行為”
です。
2. 法定追認が成立する条件
法定追認には重要な条件があります。
① 取消原因を知っていること
例えば、
- 未成年契約だった
- 詐欺に遭っていた
などを知っている必要があります。
② 取り消すことができる状態になった後であること
例えば未成年者なら、
- 成年になった後
でなければ法定追認になりません。
未成年中にした行為では、原則として法定追認になりません。
3. 法定追認となる具体例(民法125条)
民法125条には具体例があります。
(1)全部または一部の履行
例:
- 売買代金を支払った
- 商品を受け取った
など。
「契約を有効と認めて実行した」
と考えられます。
(2)履行の請求
例:
- 「商品を引き渡してください」
と請求した場合。
契約を有効と前提にしているためです。
(3)更改
古い契約を新しい契約に変更することです。
旧契約を有効と認めていることになります。
(4)担保の供与
例:
- 借金の担保として抵当権を設定した
など。
(5)完全に権利を実行する行為
例:
- 売買した土地を第三者へ転売した
など。
(6)強制執行
契約に基づいて差押え等をした場合です。
4. 具体例で理解
例:未成年者契約
17歳でバイクを購入
↓
18歳で成年到達
↓
その後もローン支払い継続
この場合、
- 成年になり
- 取消可能を知った上で
- 支払いを継続
しているため、
「法定追認」と判断される可能性があります。
すると、
もう契約取消しはできません。
5. 追認との違い
任意追認
自分の意思で、
「この契約を有効にします」
と明示すること。
法定追認
明示しなくても、
行動から法律上追認したとみなされる
ものです。
6. 実務上のポイント
- 一度履行していないか
- 請求行為をしていないか
- 成年後に支払継続していないか
を確認することが重要です。
「取り消せると思っていたが、既に法定追認になっていた」
というケースはよく問題になります。
お困りごと有れば一度ご相談くださいね

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