代襲相続(だいしゅうそうぞく)
本来相続人になるはずだった人が相続開始時に死亡・欠格・廃除などで相続できない場合に、その子などが代わって相続人になる制度です。
体系的に整理します。

① 代襲相続の基本構造
例:
- 被相続人:父
- 子:A・B
本来は AとBが相続人 になります。
しかし、
- Aが父より先に死亡していた
この場合
👉 Aの子(父から見て孫)がAの代わりに相続する
これが代襲相続です。
② 代襲相続が起こる原因(重要)
代襲が発生するのは次の場合です。
✔ ① 相続開始前の死亡
最も典型例。
例:
- 子が親より先に死亡
✔ ② 相続欠格
民法891条の欠格事由に該当した場合。
例:
- 遺言書偽造
- 被相続人殺害など
※本人は相続不可だが、子は代襲可能。
✔ ③ 推定相続人の廃除
被相続人の請求または遺言による廃除。
※廃除された本人は相続不可だが、子は代襲可能。
❌ ④ 相続放棄(重要)
相続放棄では代襲相続は起こりません。
理由:
→ 放棄者は「初めから相続人でなかった」と扱われるため。
実務上の頻出誤解です。
③ 誰が代襲できるか
(1)子の代襲
被相続人の
- 孫
- ひ孫
- 玄孫…
👉 無限に再代襲あり
これを 再代襲相続 といいます。
(2)兄弟姉妹の代襲
兄弟姉妹が先に死亡している場合
→ 甥・姪が代襲
ただし重要。
👉 甥・姪までで終了(再代襲なし)
(3)直系尊属は代襲なし
- 父母
- 祖父母
には代襲制度はありません。
④ 相続分(割合)
代襲者は
👉 代襲される人の相続分をそのまま承継
例:
- 子A(死亡)
- 子B(存命)
- Aの子2人
相続割合:
- B:1/2
- Aの子2人:1/2を等分 → 各1/4
⑤ 代襲相続と数次相続の違い(実務重要)
よく混同されます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 代襲相続 | 相続開始時点ですでに死亡 |
| 数次相続 | 相続開始後に死亡 |
例
父死亡 → 子が相続後に死亡
これは代襲ではなく 数次相続。
⑥ 実務上の注意点(行政書士視点)
✔ 戸籍収集が増大
代襲があると
- 孫
- 甥姪
- その配偶者
まで確認が必要。
👉 出生から死亡までの連続戸籍が必須。
✔ 相続人確定ミスが多い
特に多い誤り:
- 放棄=代襲と誤認
- 甥姪の再代襲を誤認
✔ 法定相続情報一覧図での表記
代襲者は
「(代襲)」表示を付すのが一般的。
⑦ まとめ
- 先に死亡・欠格・廃除 → 代襲発生
- 放棄 → 代襲なし
- 子の系統 → 再代襲あり
- 兄弟姉妹 → 甥姪まで
- 相続分は被代襲者を承継
相続でお悩みの方は是非ご相談ください。

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