里親制度と養子縁組の違いとは?

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制度の仕組みや法律上の親子関係をわかりやすく解説

子どもを家庭で育てる制度として、「里親制度」と「養子縁組」があります。

どちらも、さまざまな事情により実の親と暮らすことが難しい子どもに、家庭的な養育環境を提供するという点では共通しています。

しかし、両者は法律上の親子関係や養育期間、戸籍、相続関係などに大きな違いがあります。

今回は、里親制度と養子縁組の違いについて、行政書士の視点から解説します。

1.里親制度とは?

里親制度とは、さまざまな事情によって実の親と生活することが難しい子どもを、一定期間、家庭に迎え入れて養育する制度です。

児童福祉法に基づく制度であり、児童相談所などの関係機関が中心となって、子どもの養育を支援します。

里親には、主に次のような種類があります。

① 養育里親
実の親の病気や経済的事情などにより家庭で生活できない子どもを、一定期間養育します。

② 専門里親
虐待などにより心身に深刻な影響を受けた子どもなど、専門的なケアを必要とする子どもを養育します。

③ 養子縁組里親
将来的に養子縁組をすることを希望して、縁組成立前の子どもを養育する里親です。

④ 親族里親
両親の死亡や行方不明などの事情により養育できない場合に、祖父母や兄弟姉妹などの親族が子どもを養育します。

里親制度では、原則として実の親との法律上の親子関係は継続します。

2.養子縁組とは?

養子縁組とは、法律上の手続きによって、血縁関係のない人との間に親子関係を成立させる制度です。

養子縁組には、主に次の2種類があります。

(1)普通養子縁組

普通養子縁組では、実の親との親子関係を維持したまま、養親との法律上の親子関係が成立します。

そのため、養子は実親と養親の双方について法律上の親子関係を持ちます。

相続についても、実親と養親の双方の相続人となることが原則です。

(2)特別養子縁組

特別養子縁組は、子どもの利益を特に守るため、家庭裁判所の審判によって成立する制度です。

成立すると、原則として実親との法律上の親子関係が終了し、養親との間に実の親子と同様の法律関係が成立します。

特別養子縁組は、原則として子どもが15歳未満であることなど、法律上の要件があります。

また、養親となる者は原則として配偶者のある者でなければなりません。

3.里親制度と養子縁組の主な違い

里親制度のうち養子縁組里親は、将来の養子縁組を前提とする場合がありますが、里親委託中は、それだけで養親との法律上の親子関係が成立するわけではありません。

4.里親と養子では相続関係も異なる

特に重要なのが相続関係です。

例えば、Aさん夫婦が子どもBさんを里子として迎え入れた場合、里親委託だけではBさんはAさん夫婦の法定相続人にはなりません。

一方、普通養子縁組が成立すれば、Bさんは養親Aさん夫婦の法定相続人になります。

さらに、普通養子縁組の場合は実親との親子関係も継続するため、実親の相続人としての地位も原則として維持されます。

特別養子縁組の場合は、原則として実親との親子関係が終了するため、実親の相続人ではなくなります。

このように、里親制度と養子縁組では、将来の相続に大きな違いが生じます。

5.里親になるための手続きと養子縁組の手続き

里親になるためには、児童相談所などに相談し、研修や家庭訪問、審査などを経て、里親としての認定・登録を受けることが基本となります。

その後、子どもとの交流や調整を経て、里親委託が行われます。

一方、普通養子縁組は、原則として養親と養子の合意に基づき、市区町村役場に養子縁組届を提出します。未成年者を養子にする場合には、原則として家庭裁判所の許可が必要となるなど、例外や要件があります。

特別養子縁組は、家庭裁判所への申立てを行い、法律上の要件を満たした場合に審判によって成立します。

6.行政書士として関係する業務

里親制度や養子縁組は、子どもの福祉と家族関係に深く関係する制度です。

行政書士の業務との関係では、次のような相談が考えられます。

・養子縁組に関する制度や必要書類の一般的な説明
・戸籍や相続関係の確認に関する相談
・養子縁組後の相続関係や遺言書作成に関する相談
・家族関係に関する各種書類の作成支援

ただし、里親の認定・委託は児童相談所等が関与する制度であり、家庭裁判所への申立て手続や法的紛争に関する代理など、行政書士の業務範囲外となるものもあります。

必要に応じて、弁護士、司法書士、児童相談所などの専門機関と連携することが重要です。

7.まとめ

里親制度と養子縁組は、どちらも子どもの健全な成長と安定した生活を支えるための制度ですが、その法的な性質は異なります。

里親制度は、子どもを家庭で養育するための児童福祉制度です。

これに対して養子縁組は、法律上の親子関係を成立させる制度です。

特に、普通養子縁組と特別養子縁組では、実親との親子関係や相続関係も異なります。

制度を正しく理解し、子どもの利益を第一に考えた選択をすることが大切です。

行政書士辻澤孝文事務所では、養子縁組に関連する戸籍・相続関係の確認や、遺言書作成などのご相談に対応しております。

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