個人情報の流出が発生したら?原因と対策、企業や個人が取るべき対応を解説
近年、企業や行政機関などから個人情報が流出する事件が相次いでいます。

氏名、住所、電話番号、生年月日、メールアドレスなどの情報だけでなく、クレジットカード情報や銀行口座情報、本人確認書類などが流出した場合には、金銭的な被害や詐欺、なりすましなどの二次被害につながるおそれがあります。
個人情報は、一度外部に流出すると完全に回収することが難しいため、日頃から適切な管理を行うことが重要です。
今回は、個人情報が流出する主な原因と、流出を防止するための対策、万が一流出した場合の対応について解説します。
1.個人情報が流出する主な原因
個人情報の流出には、さまざまな原因があります。
① サイバー攻撃による流出
企業や団体のコンピューターシステムが不正アクセスを受け、顧客情報や従業員情報が盗まれるケースです。
特に、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)による攻撃では、データを暗号化されるだけでなく、外部に情報を持ち出される危険性もあります。
② メールの誤送信
本来送信する相手とは異なる相手にメールを送ってしまい、添付ファイルなどから個人情報が漏れるケースです。
複数の顧客に一斉送信する際、宛先をBCCではなくTOやCCに入力してしまうことも典型的な事例です。
③ 書類や端末の紛失・盗難
個人情報が記載された書類、USBメモリー、パソコン、スマートフォンなどを紛失したり、盗難に遭ったりするケースです。
④ 内部関係者による持ち出し
従業員や関係者が、業務上知り得た顧客情報を不正に持ち出すケースもあります。
⑤ パスワード管理の不備
簡単なパスワードの使用や、複数のサービスで同じパスワードを使い回すことによって、不正ログインにつながる場合があります。
2.個人情報の流出を防ぐための対策
個人情報を守るためには、システム面と人的管理の両方から対策する必要があります。
① パスワードの適切な管理
推測されにくい長いパスワードを設定し、サービスごとに異なるものを使用しましょう。
可能であれば、二段階認証や多要素認証を導入することも有効です。
② セキュリティソフトやシステムの更新
パソコンやスマートフォンのOS、アプリケーション、セキュリティソフトを常に最新の状態に保つことが大切です。
古いシステムを使い続けると、既知の脆弱性を悪用される危険があります。
③ メールや添付ファイルの確認
不審なメールのリンクや添付ファイルを安易に開かないようにしましょう。
個人情報を含むメールを送信する場合には、宛先や添付ファイルを送信前に確認する習慣が必要です。
④ 個人情報へのアクセス制限
企業や事務所では、必要な担当者だけが個人情報を閲覧できるように管理することが重要です。
また、紙の書類についても施錠できるキャビネットなどに保管し、不要になった書類は適切な方法で廃棄する必要があります。
⑤ バックアップの実施
重要なデータは定期的にバックアップを取り、万が一のシステム障害やサイバー攻撃に備えましょう。
3.個人情報が流出した場合の対応
万が一、個人情報が流出したことが判明した場合には、迅速な対応が必要です。
主な対応として、次のようなものが挙げられます。
1. 流出の原因や範囲を速やかに調査する。
2. 不正アクセスや情報流出を止めるための措置を講じる。
3. 流出した情報の種類や対象者を確認する。
4. 被害を受ける可能性のある本人に通知する。
5. 個人情報保護委員会への報告が必要か確認し、法令に従って対応する。
6. 再発防止策を策定し、社内管理体制を見直す。
個人情報保護法では、一定の要件に該当する個人データの漏えい等について、個人情報保護委員会への報告と本人への通知が義務付けられています。
すべての漏えい事案が一律に報告対象となるわけではありませんので、漏えいした情報の内容や原因、被害のおそれなどを確認することが重要です。
4.行政書士事務所における個人情報の管理
行政書士は、依頼者からさまざまな個人情報を預かる立場にあります。
例えば、次のような書類です。
– 戸籍謄本・除籍謄本
– 住民票・戸籍の附票
– 印鑑証明書
– 本人確認書類
– 財産や預貯金に関する資料
– 相続人や親族に関する情報
– 許認可申請に必要な事業者情報
これらの情報が外部に流出すれば、依頼者のプライバシーを侵害するだけでなく、詐欺やなりすましなどの被害につながる可能性があります。
そのため、行政書士事務所においても、書類の施錠保管、パソコンのパスワード設定、データの適切な管理、不要書類の確実な廃棄などを徹底する必要があります。
また、業務上知り得た秘密を守ることは、行政書士に課せられた重要な義務です。
5.個人情報を守るためには日頃の備えが重要
個人情報の流出は、大企業や行政機関だけの問題ではありません。
個人事業主や小規模事業者であっても、顧客情報や取引先情報を保有している以上、適切な安全管理が求められます。
また、一般の個人も、SNSへの情報掲載、不審なメールへの対応、パスワードの使い回しなどに注意する必要があります。
個人情報は、私たちの生活や財産を守るための大切な情報です。
万が一の流出を防ぐためにも、日頃から情報管理の方法を見直し、安全な管理体制を整えておきましょう。
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