警備会社設立の留意点

警備業許可

警備会社を設立する際には、他の一般的な会社設立とは異なり「警備業法」に基づく厳格な規制が存在します。そのため、まず会社設立の前提として、法人登記後に公安委員会の認定を受ける必要があります。認定がなければ営業を行うことはできません。認定申請には、役員や主要株主に欠格事由がないことを確認することが不可欠であり、過去に一定の刑罰を受けた者や暴力団関係者などは役員になれません。また、営業所ごとに「警備業務の実施を適正に管理できる責任者(警備員指導教育責任者)」の配置が義務付けられています。責任者資格を持つ人材の確保が、設立準備の段階から大きなポイントとなります。さらに、警備業は社会の安全に直結する事業であるため、十分な財産的基盤や経営の安定性が求められます。申請時には一定額以上の資産証明や預貯金残高証明を提出する必要があり、安易な資金計画では認定を得ることが困難です。加えて、警備員の採用時には身元調査を行い、反社会的勢力との関係を排除する体制を整えることも不可欠です。実際の運営においては、業務ごとに契約内容を明確にし、法令を遵守した労務管理が求められます。長時間労働や過酷な勤務が問題視されやすい業界であるため、労働基準法を踏まえた適正なシフト管理や健康管理体制を構築する必要があります。教育訓練についても警備業法で義務付けられており、新任研修・現任研修を定期的に行い、記録を残さなければなりません。これを怠ると行政処分の対象となる可能性があります。また、顧客からの信頼を得るには、コンプライアンス体制や事故発生時の報告体制を明確化しておくことが重要です。特に近年は情報セキュリティや個人情報保護の観点からも、従業員教育と社内ルール整備が重視されています。さらに、業務拡大を見据える場合には、交通誘導・施設警備・機械警備など多様な分野で必要な設備投資や資格者の育成を進める戦略性も求められます。以上のように、警備会社の設立は単なる法人登記にとどまらず、公安委員会の認定、人的要件、財務基盤、教育体制、労務管理など、多面的な条件を満たすことが不可欠です。適切な準備を重ね、社会的信用と法令遵守を徹底することで、はじめて健全な警備業の運営が可能となります。

警備会社設立お考えの方是非ご相談くださいね。

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