所有権移転登記における「事前通知」とは、登記申請が真正な本人意思に基づくものかを法務局が確認する制度です。特に、不動産の権利を失う側(登記義務者)が登記所に出頭しない場合などに利用されます。
1. 事前通知制度とは
例えば売買による所有権移転登記では、
- 売主 → 登記義務者
- 買主 → 登記権利者
となります。
通常、司法書士が本人確認情報を提供するか、売主本人が登記所へ出頭することで本人確認を行います。
しかし、
- 司法書士の本人確認情報を利用しない
- 売主が登記所へ出頭しない
場合には、法務局が売主本人へ「本当にこの登記申請をしましたか?」という確認通知を送ります。これが事前通知です。
2. どのような場合に行われるか
典型例は次のような場合です。
- 売主が登記識別情報(権利証)を紛失している
- 本人確認情報を作成する司法書士を利用しない
- 登記義務者が登記所に出頭しない
つまり、法務局が「なりすまし」や無断登記の危険を感じる場面で使われます。
3. 手続の流れ
① 登記申請
売買等による所有権移転登記を申請します。
② 法務局から通知発送
登記義務者(通常は売主)へ本人限定的に通知が送られます。
③ 登記義務者が回答
通知書に記載された方法で、
「確かに自分が申請した」
と回答します。
一般には、
- 署名押印
- 実印押印
- 印鑑証明書添付
などを行います。
④ 登記実行
問題なければ所有権移転登記が完了します。
4. 回答期限
通常、発送から2週間以内程度です。
期限までに回答しないと、
- 登記却下
- 再申請必要
となる可能性があります。
5. 司法書士の本人確認情報との違い
事前通知
- 法務局が本人確認
- 時間がかかる
- 費用は比較的安い
本人確認情報
- 司法書士が本人確認
- 即日処理しやすい
- 司法書士報酬が必要
実務では、取引安全や決済日の関係から、司法書士の本人確認情報制度が多く利用されています。
6. 行政書士業務との関係
所有権移転登記申請そのものは、原則として司法書士業務です。
行政書士としては、
- 売買契約書作成
- 遺産分割協議書作成
- 相続関係説明図作成
- 必要書類案内
など周辺業務で関与することがあります。
ご相談は下記まで
↓
「行政書士辻澤孝文事務所」ホームページ


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